NEW🦷医療法人(歯科医院)の分院開設で必要な定款変更の要約
医療法人(歯科医院)が分院を開設する際の定款変更は都道府県知事の認可で行う必須の手続きです。
分院開設は「保健所への開設届だけ」では絶対に完了するということはありませんから注意が必要です。定款変更→登記変更→保健所→厚生局という一連の流れを踏む必要があり、最初の大きな関門がこの手続きになります。
当事務所で最近行った埼玉県における医療法人の定款変更について要点を整理した実務的な要約です。ぜひご一読いただけると幸いです。
この手続きを2ヶ月で行いました。非常に難しく時間的にも体力的にも大変でした。
分院開設をお考えの先生方はぜひ余裕をもって計画していただきたいと思います。
🦷医療法人(歯科医院)の分院開設で必要な定款変更の要約
1. なぜ定款変更が必要なのか
医療法人は、定款に記載された診療所だけを運営できるため、 新しく分院を開設する場合は、定款にその分院の「名称」「所在地」を追加する必要があります。
また、分院長を理事に加える必要がある場合は、理事定数の変更も定款変更の対象になります。 (医療法第46条の5第6項)
2. 定款変更が必要になる主なケース
- 分院(新規診療所)を開設する
- 診療所を移転する(同一敷地内の住居表示変更でも必要)
- 診療所の名称を変更する
- 分院長を理事に加えるため理事定数が不足する
- 附帯業務(訪問診療など)を新たに追加する
3. 手続きの全体の流れ
この手順が大事で必ずこの順序で行わなくてはなりません。
- 都道府県への事前相談 必要書類・審査期間を確認(実務上ほぼ必須です。)
- 社員総会で定款変更の特別決議 分院開設・管理者選任・理事定数変更などを決議します。
- 定款変更認可申請(都道府県知事) 認可まで通常3~6か月(実務では8~10か月見込むこともあります)
- 認可後に法務局で変更登記 ※認可前に登記すると受理されません。
- 保健所で診療所開設届・構造設備確認(X線設置届等)
- 厚生局で保険医療機関指定申請 開設月の前月上旬が締切(地域により異なる)
- 施設基準の届出
- 社保国保の届出
4. 必要書類の例
- 定款変更認可申請書
- 新旧対照表
- 社員総会議事録
- 分院の事業計画書・収支予算書
- 管理者(歯科医師)の資格証明書
- 賃貸借契約書・建物図面 など
5. スケジュールの注意点
- 認可まで 3~6か月
- 書類準備・事前審査を含めると 8~10か月かかることもある
- 内装工事や物件契約を先に進めると「空家賃」が発生するリスクあり → 賃貸契約に“認可取得を停止条件”とする条項を入れるのが実務上の定番
6. 管理者(分院長)の要件(歯科医院の場合)
- 歯科医師であること
- 臨床研修修了者であること
- 原則「常勤」(週32時間以上が多い)
- 本院との兼任は原則不可(自治体により例外あり)
7. よくある誤解と失敗例
- 「保健所の開設届だけで分院が作れる」→ 絶対に不可です。
- 「登記だけ変えればいい」→ 認可が先、登記は後となります。
- 「名称変更は看板だけ変えればいい」→ 定款変更が必須です。
- 認可前に物件契約して空家賃が発生します。
- 管理者の常勤要件を満たさないと審査で止まってしまいます。
【まとめ】
医療法人が歯科医院の分院を開設するには、定款変更の認可が最初の関門です。 分院の名称・所在地の追加、必要に応じた理事定数の変更を社員総会で決議し、都道府県知事の認可を受けます。 その後、法務局で登記変更、
保健所で開設届、
厚生局で保険医療機関指定申請という流れで進みます。
認可には3~6か月、準備を含めると8~10か月かかることもあり、物件契約や工事と並行して慎重なスケジュール管理が不可欠です。
分院長となる歯科医師の常勤要件や理事就任の扱いも重要なポイントです。

